2.早期発見が難しい。だからこそ診察が重要

腎臓病の初期

2023.06.06 更新

初期段階では、痛みやむくみなどのサインがほとんどなく、症状が出たころには進行している、ということが少なくないのが腎臓病の特徴。「ものを言わない臓器」とよばれるほどなのです。

「腎臓疾患は“気づきにくい“というのが一番のネックなんです。健康診断で数値に何かしら問題があったら、まずは病院に行ってみる。早期発見により、対処できることが山ほどあることを知ってもらいたいですね」

そう話すのは腎臓内科医の菅野義彦先生。患者さんと向き合う現場だけでなく、医療従事者の働く環境を考えた組織作りにも携わる、医師の“当たり前“を覆す歩みを伺いました。

2回目は、初期段階で発見するために大切なことや治療法についてのお話です。

改善策が増えているからこそ、早期に発見することが腎機能改善の近道です

腎臓病は10年、20年かけてゆっくり進行していきます。腎機能が低下していくと、自分の力で老廃物を濾過できなくなるため「腎代替療法」が必要になります。選択肢としては、血液透析、腹膜透析、腎移植の3つ。

一般的には血液透析を行うケースが多く、透析専門クリニックなどで、ポンプで血液を体外に出し、フィルターで濾過してきれいになった血液を体に戻します。週3回程度、1回約4時間かかることがほとんどです。

体への負担、QOL(生活の質)の低下を考えると、血液透析にならないように、早めに対処したいもの。

「早期発見することで手遅れにならず、透析を回避することができます。僕が腎臓内科医になったころの30年前と比べれば、改善策が多くできることがたくさんある。医療介入が早ければ早いほど、選択肢は広がります」

医療が進み、治療の選択肢が増えているのだそう。発見が早ければ早いほど、その選択肢の幅が広がり、自分に合う治療法を選べるというわけです。

病院に行ってみると、不安より安心感が得られるはずです

とはいえ、自覚症状がないだけに病院に行こうという気持ちが起こらなかったり、『もしも、検査結果が悪かったら……』と不安が募ったりするのが現実です。

「実をいうと、病院に来る8割の方々は急を要する治療や、今後の生活を変える必要がなく帰ることができます。目的として『診察を受ける』ことが何よりも重要なんですね。『現時点では心配ないですよ』というお墨付きをもらうことが大事。腎臓が悪いと他の病気で処方が必要な薬が飲めない場合があるので、腎臓の状態を知っておくことは、メリットのほうが多いと言えます」

『今の自分の状態を知っておく』ことは、何よりも大事です。病院で診療することで、不安が減ることもあれば、対策を立てることもできるはず。メリットの方が多いと考えて、診察を受けるようにしましょう。

次回は、先生がここ数年で感じている腎臓病の兆候について、お聞きします。

取材・文/梅崎なつこ
編集/おいしい健康編集部

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