食事やお酒、運動以外にも、尿酸値を下げて痛風を予防するセルフケアがあります。
それは、こまめな水分補給。
尿酸値を下げる水分補給のポイントをお伝えします。
1日2リットル以上が目安
なぜ水分補給が尿酸値を下げるのでしょうか?
ここでも「尿酸プール」の仕組みが手がかりになります(「01 尿酸値が高いとはどのような状態ですか?」)。1日に排せつされる尿酸のうち、70%は尿として体の外に出されます。なので、水分をこまめに摂って尿の量を増やせば、体の中の尿酸が排せつされやすくなるのです。
では、どのくらいの水分を摂ればいいでしょうか。
高尿酸血症の人は、1日に2リットル以上の尿を出すことが望ましいとされています。水分は尿以外に汗や便からも体の外に出るので、慢性腎臓病などで医師から水分を制限するように言われている人以外は、1日2リットル以上、水分を摂ることを目安にしましょう。
「のどが乾いたら何か飲む」だと、水分が不十分な可能性があります。のどが乾いていなくても、食事と一緒、食事と食事の間、就寝前、夜間といったタイミングで、こまめに水分を摂るのがおすすめです。
特に夏は、一年の中で痛風発作が最も多い季節。汗をかいたり、アルコールの摂りすぎなどが原因で、痛風が起きやすくなります。暑い日は汗が増える分、水分を摂る量を増やして発作を予防しましょう。
水分補給は水、お茶で
水分補給には、どんなものを飲んだらいいでしょうか。
「07 果物は適量なら大丈夫」で解説した通り、果物のジュースなど、果糖が多い飲み物は尿酸値を上げてしまいます。水分補給には水やお茶がおすすめです。日常生活の中でこまめな水分補給を習慣にしましょう。
よくある思い違い⑩のどが乾いたら何か飲んでいるので水分は十分
のどが渇いていなくても、こまめな水分補給を
<参考>日本痛風・核酸代謝学会・編集『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版』(診断と治療社)
<参考>山中寿・著『尿酸値を下げたいあなたへ』(保健同人社)
文/おいしい健康編集部