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2021.4.23 更新

食事療法は「続けること」が大切

東京医科大学病院 腎臓内科主任教授

菅野義彦先生

慢性腎臓病は少しずつ進んでいく病気です。食事療法は無理のない範囲で、続けることが何より大切。ストイックにがんばり過ぎなくても大丈夫です。
食事療法に取り組む前に心がけておきたいこと、知っておきたいことを紹介します。

無理なく続けられることを

腎臓に負担をかけないよう生活習慣を変えても、急に体調が改善する、検査値が大きく変わるといったことは、残念ながらあまりありません。結果がわかりにくいので、できることを無理なく「続けること」が慢性腎臓病の食事療法で最も大切です。
病気だからといって、「毎回完璧な食事を摂らなくては」と神経質になりすぎると、かえって続きません。「1日3食のうち2食、全体の3分の2の食事で医師のアドバイスを守れたら良し」くらいに考えましょう。

自分の食生活を確認しましょう

食事療法を始める前に、食事の記録をつけて自分の食生活を把握するのがおすすめです。3日間だけ、だいたいでいいので、いつ何をどのくらい食べているか、メモしてみてみましょう。食事記録のやり方は「読む、えいよう」のコラム「食事記録をつけると自分の食生活の傾向がわかります」もご覧ください。メモを取るのが面倒という方は、「おいしい健康」のようなアプリを使って、自分の食事を記録するのもいいですね。
記録をつけてみると、間食が多い、食事の時間が不規則など、自分の食生活の傾向や注意すべき点が見つかって、どこを見直せばいいのかわかります。完璧でなくていいので、できることから改善していきましょう。

管理栄養士に相談するという手もあります

できれば食事記録を管理栄養士に見せて、アドバイスをもらいましょう。どの栄養素が摂り過ぎていて、どの栄養素が足りないのかが分かります。
今の医療制度では管理栄養士だけにかかることはできませんが、生活習慣病は医師だけで治すのではなく、管理栄養士とともにコントロールするものです。自治体の保健センターの管理栄養士や、勤務先の保健室や食堂の相談室に管理栄養士がいれば、一度相談してみてください。

話題の健康法に惑わされないように

テレビやネットで特定の食品を摂る健康法が話題になることがあります。しかし、「この食品だけを食べていれば健康によい」というものはありません。
話題の健康法が気になったら、自己判断で取り入れるのではなく、まずは医師や管理栄養士に相談しましょう。

次の項では、腎臓病の原因や病気の進み方を遅らせる生活習慣を紹介します。

<参考> 日本腎臓病学会編集「エビデンスに基づく CKD診療ガイドライン2018」(東京医学社)

<参考> 菅野義彦ほか監修「食事療法はじめの一歩シリーズ 腎臓病の満足ごはん」(女子栄養大学出版部)

文/おいしい健康編集部

東京医科大学病院
腎臓内科主任教授
菅野義彦先生

1991年慶應義塾大学医学部卒業。同大学院医学研究科、米国留学、埼玉社会保険病院腎センター、埼玉医科大学腎臓内科、慶應義塾大学医学部血液浄化・透析センターを経て、2013年より現職。

東京医科大学病院 腎臓内科主任教授 菅野義彦先生

医師の指導のもと栄養指導を受けている方は、必ずその指示・指導に従ってください。