痛風になったり、尿酸値が高くなったりしたら「フグの白子のような、プリン体が多いものを絶対に食べてはいけない」と思い込んでいませんか?確かにプリン体は尿酸の材料になりますが、痛風になった人や尿酸値が高い人は、絶対に白子を食べてはいけないわけではありません。プリン体との上手な付き合い方をお伝えします。
プリン体が多い食べ物を見分けるには?
尿酸値が高い場合に食事で注意すべきこととして、かつてはプリン体の制限が大事だとされていました。しかし現在は、エネルギー量を抑えることが重要と考えられています。食事から体内に取り込まれるプリン体は、全体の2〜3割にすぎないからです。
とはいえ、食事からのプリン体の摂り過ぎは避けましょう。高尿酸血症の人は1日のプリン体の摂取量を400mg未満にすることが適切とされています。
そもそも、プリン体が多く含まれるのはどんな食べ物でしょうか。
突然ですが、ここでクイズです。次の食べ物の中で一番プリン体が多いものはどれでしょうか?
②いくら
③たらこ
④レバー
正解は④のレバーです。
プリン体は細胞のDNA、RNAに含まれるため、細胞の数が多い食べ物はその分プリン体が多くなります。
同じ重さ当たりの細胞の数は、鶏卵の場合は1個。それに対して、いくらは数えられる程度で、たらこは数え切れない程度の細胞がありますね。レバーの細胞は目に見えないほど小さいのでそれ以上と、細胞の数が最も多いレバーが実は一番多くプリン体が含まれています。
鶏卵やいくらにプリン体が多いと考えている方がいますが、これらはプリン体がそこまで多くはありません。コレステロール含有量とは違いますのでご注意ください。
プリン体が多い食べ物は「たまの楽しみ」
レバー以外にプリン体が特に多い食品としては、ふぐ・たら・いさきの白子や、えび・いわし・かつおなど一部の魚介類があります。白子やレバー、えび、いわし、かつおなどは「たまの楽しみ」と考えて、毎日食べることは控えましょう。
・鶏・豚・牛のレバー類
(210~320mg)
・白子
(300mg)
・えび、いわし、かつお
(210~270mg)
※1を基に作成
()内は100g当たりのプリン体の量
プリン体はうまみの成分
同じ食材でも、調理の方法によってプリン体の量は変わります。
プリン体は水に溶ける性質があるので、「焼く」「炒める」よりも、「ゆでる」「煮る」といった調理法で、溶け出して2〜3割減るといわれています。
鍋物の後にご飯や麺類を入れて、「しめ」として煮汁ごと食べるのはおいしいですよね。なぜならプリン体はうまみの成分であり、プリン体が煮汁に溶け出しているからです。鍋のしめは、やはり「たまの楽しみ」と考えて、毎日のように続けて食べるのは避けたほうがよさそうです。
体のためにと摂っている健康食品の中には、プリン体が多く含まれているものがあります。例えば、DNA/RNA、ビール酵母、クロレラ、スピルリナ、ロイヤルゼリーなどです。中には100g当たり300mg以上のプリン体が含まれるものもあります。尿酸値が高い人が毎日のようにプリン体の多い健康食品をとることには注意が必要です。成分表示を確認し、主治医に相談しましょう。
よくある思い違い⑤痛風患者はフグの白子を絶対に食べてはいけない
プリン体はたまの楽しみ。上手に付き合いましょう
<参考>日本痛風・核酸代謝学会・編集『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版』(診断と治療社)
<参考>山中寿・著『尿酸値を下げたいあなたへ』(保健同人社)
※1 痛風・尿酸財団「食品・飲料中のプリン体含有量」
文/おいしい健康編集部