「プリン体が少ない焼酎なら、ビールと違っていくら飲んでも大丈夫」と思ってビール以外のお酒を飲む方がよくいますが、実はお酒の種類を選んでもあまり意味はありません。
アルコールの制限は痛風を防ぐ上でとても大切です。体を壊さず、お酒を長く楽しむために。尿酸値を上げない、お酒との上手な付き合い方をお伝えします。
アルコール自体に尿酸値を上げる働きがあります
「尿酸値とお酒の種類はあまり関係ない」とはどういうことでしょうか。
確かに、プリン体の量はアルコールによって異なり、焼酎よりもビールのほうがより多くのプリン体が含まれます。
ビール 3.3〜6.9
日本酒 1.2
ワイン 0.4
ウイスキー 0.1
焼酎(25%) 0.0
※1より作成
しかし、そもそもアルコール自体に尿酸値を上げる働きがあるので、どんな種類のお酒でも飲めば尿酸値は必ず上がってしまいます。
これにはたくさんの理由があります。
◎アルコールが肝臓で分解されるときに、尿酸が作られる
◎アルコールが肝臓で分解されるときに「乳酸」という成分が作られ、乳酸には尿酸が尿と一緒に排せつされるのを邪魔する作用がある
◎アルコールには利尿作用があるので、体内の水分の量が減り尿酸が濃縮される
◎お酒とおつまみに含まれているプリン体が尿酸値を上げる
◎アルコールの作用で食欲が増え、いつもより食べ過ぎてしまう
◎お酒自体にエネルギー量があり、摂取エネルギー量全体が増える
ですから高尿酸血症の方にとっては、お酒の種類よりも飲む量が大切になります。
お酒は適量を守れば大丈夫
尿酸値を上げないためにはお酒を飲まないのがベストです。ですが、どうしても飲みたいという方は、適量を守ることが大切です。
適量は1日に純アルコールで20gとされています。お酒を飲むなら以下の種類別適正量を目安にして、週に2回程度はお酒を休む「休肝日」を設けましょう。
()内はアルコール度数
ビール(5度) 350〜500ml
日本酒(15度) 180ml
ワイン 180ml
焼酎(25度) 110ml
ウイスキー(43度) 60ml
先ほど、お酒が尿酸値を上げる理由のひとつに、おつまみに含まれるプリン体を挙げました。居酒屋では、プリン体の多いレバーや唐揚げより、焼き鳥のねぎまや揚げ出し豆腐を選びましょう。またアルコールの利尿作用も尿酸値を高めるので、水分を補うためにお茶や水を一緒に飲みましょう。
プリン体が少ないおつまみのレシピを紹介します。
よくある思い違い⑧焼酎は尿酸値を上げないから、いくら飲んでも良い
アルコール自体に尿酸値を上げる作用があるので、酒の種類によらず酔えば必ず尿酸値は上がります
<参考>日本痛風・核酸代謝学会・編集『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版』(診断と治療社)
<参考>山中寿・著『尿酸値を下げたいあなたへ』(保健同人社)
<参考>厚生労働省e-ヘルスネット「アルコールと痛風」
※1 痛風・尿酸財団HP「アルコール飲料中のプリン体含有量」
文/おいしい健康編集部