トイレという密室での排便習慣。排便の姿勢やおしりの拭き方は、人それぞれですよね。けれど、排便の仕方によって痔になることもあります。
正しい排便の仕方を確認しておきましょう。
排便時は少し前かがみで
排便は便を出しやすく、肛門に負担をかけない姿勢で行いましょう。背筋を伸ばした状態では、直腸と肛門の角度が広がらず、肛門も広がりません。少し前かがみになって直腸を伸ばし、かかとを少し上げ、おなかに手を当てていきむと便が下に出やすくなります。便座が高い場合は、踏み台を置いてその上に足をのせると安定します。
排便後は肛門を刺激しない方法で清潔に
排便後は、紙で拭いても便座についているシャワーで洗ってもかまいません。でも、肛門付近の皮膚は薄くてとってもデリケート。なかなか汚れが落ちないからといってゴシゴシこすったり、強い水圧で長時間洗うのは、肛門の皮膚に傷をつけたり、炎症を起こす原因になるので避けましょう。
シャワー付きトイレを使うなら、なるべく緩やかな水流でさっと汚れを流し、紙で押さえて水分をとれば十分です。紙に汚れがつくようなら再度シャワーで流しましょう。温風で乾燥させると気持ちがいいかもしれませんが、皮膚の乾燥をまねいて炎症の原因になるのでやめておきましょう。
<参考> 日本大腸肛門病学会編集「肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)・直腸脱診療ガイドライン2020年版(改訂第2版)」(南江堂)
<参考> 松島誠ほか監修「食事療法はじめの一歩シリーズ 痔で悩む人の毎日ごはん」(女子栄養大学出版部)
文/高橋裕子