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2021.3.18 更新

排便は正しいやり方で

医療法人恵仁会松島病院 大腸肛門病センター医師

松島小百合先生

医療法人恵仁会松島病院 大腸肛門病センター医師

紅谷 鮎美先生

トイレという密室での排便習慣。排便の姿勢やおしりの拭き方は、人それぞれですよね。けれど、排便の仕方によって痔になることもあります。
正しい排便の仕方を確認しておきましょう。

排便時は少し前かがみで

排便は便を出しやすく、肛門に負担をかけない姿勢で行いましょう。背筋を伸ばした状態では、直腸と肛門の角度が広がらず、肛門も広がりません。少し前かがみになって直腸を伸ばし、かかとを少し上げ、おなかに手を当てていきむと便が下に出やすくなります。便座が高い場合は、踏み台を置いてその上に足をのせると安定します。

排便後は肛門を刺激しない方法で清潔に

排便後は、紙で拭いても便座についているシャワーで洗ってもかまいません。でも、肛門付近の皮膚は薄くてとってもデリケート。なかなか汚れが落ちないからといってゴシゴシこすったり、強い水圧で長時間洗うのは、肛門の皮膚に傷をつけたり、炎症を起こす原因になるので避けましょう。
シャワー付きトイレを使うなら、なるべく緩やかな水流でさっと汚れを流し、紙で押さえて水分をとれば十分です。紙に汚れがつくようなら再度シャワーで流しましょう。温風で乾燥させると気持ちがいいかもしれませんが、皮膚の乾燥をまねいて炎症の原因になるのでやめておきましょう。

<参考> 日本大腸肛門病学会編集「肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)・直腸脱診療ガイドライン2020年版(改訂第2版)」(南江堂)

<参考> 松島誠ほか監修「食事療法はじめの一歩シリーズ 痔で悩む人の毎日ごはん」(女子栄養大学出版部)

文/高橋裕子

医療法人恵仁会松島病院
大腸肛門病センター医師
松島小百合先生

医療法人恵仁会松島病院 大腸肛門病センター医師 松島小百合先生

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大腸肛門病センター医師
紅谷 鮎美先生

医療法人恵仁会松島病院 大腸肛門病センター医師 紅谷 鮎美先生

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