食事で便秘の改善を試みる上で、知っておくといいのがマグネシウムという栄養素です。
腸内の水分量を増やす働きがあります
マグネシウムはミネラルの一種で、からだの中では骨に多く含まれています。
実はこのマグネシウム、体内で吸収されにくく、腸内の水分を集める性質があります。そのため、便がやわらかくなり、排便しやすくなるのです。
厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準」2020年版では、マグネシムの摂取推奨量(1日)は、成人男性で320〜370mg、成人女性で260〜290mg。平成30年「国民健康・栄養調査報告」では、男性で平均279mg、女性で平均248mgを1日で摂取しているので、推奨量には届いていません。不足しがちな栄養素といえるでしょう。
海藻類や大豆製品などを取り入れましょう
マグネシウムは、多くの食品に含まれています。
植物性食品の代表例としては、ひじき、昆布、わかめ、焼きのりなどの海藻類、豆腐などの大豆製品、アーモンド、ごまがあげられます。
意外なところでは、インスタントコーヒー、ピュアココアにも含まれています。
動物性食品の代表例としては、干しさくらえび、丸干しいわし、あさり、いくら、はまぐり、かき、きんめだい、ししゃも、パルメザンチーズ、ビーフジャーキーなどです。
主食・主菜・副菜を組み合わせた、栄養バランスの整った食事を摂っていれば、不足することはまずないでしょう。
逆に、マグネシウムが不足するからと心配して、サプリメントを過剰に摂取すると、下痢などの消化器症状が起こることが考えられます。できるだけ、栄養は食事から摂りましょう。
<参考>『慢性便秘症診療ガイドライン2017』編集 日本消化器病学会関連研究会 慢性便秘の診断・治療研究会(南江堂)
<参考>「日本人の食事摂取基準」2020年版(厚生労働省)
<参考>平成30年「国民健康・栄養調査報告」(厚生労働省)
<参考>「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」(文部科学省)
<参考>「健康食品」の安全性・有効性情報(国立研究法人 医療基盤・健康・栄養研究所)
文/おいしい健康編集部