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2020.12.8 更新

水分や油も摂りましょう

京都府立医科大学附属病院 内視鏡・超音波診療部 部長

内藤裕二先生

水分を摂ることや、適度に油を摂ることが、快便につながることもあります。

1日に1500mlから2000mlの水分を摂りましょう

ある研究で、男性では1日あたり1500ml以上の水分を摂取する人に、快便が多いという報告があります。※1
どうやら水分が不足すると、便がかたくなり、便秘になりやすくなるようです。
人間は年齢を重ねると、からだの水分量が減ってきて、高齢の方は脱水になりやすいことが指摘されています。また、のどの渇きを感じる「口渇中枢」も、年齢とともに減退。そのため、からだに水分が不足しているにもかかわらず、のどの渇きを感じにくくなり、水分摂取が遅れがちになります。
便秘は加齢とともに患者が増えていきますので、意識して水分を摂るようにするといいですね。
水分補給の目安は、1日に1500mlから2000ml。水やお茶などを選びましょう。甘い飲み物はエネルギーや糖分の過剰摂取になってしまいますので、少量にとどめるといいですね。

油も適度に摂りましょう

適度に油を摂ることも、快便には欠かせません。
食物繊維をたくさん摂っているのに、便がかたくて排便に苦労している方は、油不足の可能性があります。
オリーブ油やごま油などの植物性油脂は、腸内で潤滑油となり、便の滑りをよくする効果が期待できます。スプーン1杯程度のオリーブ油で十分です。
炒めもの、焼きもの、あえものなどのメニューに取り入れるのが簡単です。ただし、揚げ物や脂身の多い肉料理の場合は、油の摂りすぎに注意しましょう。

*1 山田五月,松本晴美,高橋律子ほか.大学生における慢性機能性便秘発現に及ぼす生活習慣との関連−横断的研究.栄養学雑誌2009;67:157-167(横断)
<参考>『慢性便秘症診療ガイドライン2017』編集 日本消化器病学会関連研究会 慢性便秘の診断・治療研究会(南江堂)
<参考>『便秘解消の毎日ごはん』(女子栄養大学出版部)

文/おいしい健康編集部

京都府立医科大学附属病院
内視鏡・超音波診療部 部長
内藤裕二先生

京都府立医科大学 消化器内科学教室 准教授。京都府立医科大学卒業。2015年より現職。専門は、消化器病学、消化器内視鏡学、消化管学、酸化ストレスと消化管炎症、生活習慣病、腸内微生物叢。国際フリーラジカル学会(SFRR)アジア President、米国消化器病学会(AGA)会員。主な著書に『便秘薬との向き合い方』(金芳堂)、『消化管(おなか)は泣いています』『人生を変える賢い腸のつくり方』(ともにダイヤモンド社)がある。

京都府立医科大学附属病院 内視鏡・超音波診療部 部長 内藤裕二先生

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