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2022.7.26 更新

効率よく鉄をとるための方法とレシピ

現・医療法人社団平静の会西崎クリニック院長 前・聖路加国際病院血液内科・人間ドック科部長

岡田定先生

貧血の予防・改善のために鉄を積極的にとりましょう。食事で継続的に鉄をとることは、貧血の治療後の再発防止にも役立ちます。
とはいえ、鉄だけを大量にとっても体に吸収されなければ意味がありません。体の中の鉄をしっかり増やしていくには、赤血球を作ったり、鉄の吸収を助ける栄養素を一緒にとることが大切です。

ここでは、貧血対策としてどのような食品をどのように組み合わせて食べたらよいのか、レシピ例とともに紹介します。

鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があります

食品中に含まれる鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があり、前者はレバーや赤肉、赤身の魚などに多く含まれており、後者は野菜や卵、牛乳などに多く含まれています。
ヘム鉄は体への吸収率が高く、一方の非ヘム鉄は低いのが特徴です。なるべくヘム鉄をとるようにして、非ヘム鉄をとるときは吸収を高めるビタミンCと一緒にとるのがおすすめです。

【ヘム鉄を多く含む食品】

豚レバー(生50g)…6.5mg

鶏レバー(生50g)…4.5mg

めざし(焼一尾50g)…2.1mg

牛レバー(生50g)…2.0mg

かつお(生50g)…1.0mg

きはだまぐろ(生50g)…1.0mg

くろまぐろ(脂身生50g)…0.8mg

くろまぐろ(赤身生50g)…0.6mg

【非ヘム鉄を多く含む食品】

調整豆乳(200g)…2.4mg

糸引き納豆(50g)…1.7mg

小松菜(ゆで75g)…1.6mg

ひじき(鉄釜製、ゆで50g)…1.4mg

春菊(ゆで75g)…0.9mg

大豆(ゆで30g)…0.7mg

ほうれん草(ゆで75g)…0.7mg

ひじき(ステンレス釜製、ゆで50g)…0.2mg

※文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より鉄量を小数点第2位で四捨五入して算出

ビタミン類も欠かせない栄養素です

ビタミンCを多く含む新鮮な野菜や果物を一緒に食べると、非ヘム鉄の吸収率を高めることができます。
またビタミンB12と葉酸は、正常な赤血球を作るために必須の栄養素です。

【ビタミンC多く含む食品】

赤ピーマン
緑ピーマン
トマト
ブロッコリー
じゃがいも
柑橘類
キウイフルーツ
イチゴ
メロン など

【ビタミンB12多く含む食品】

牛レバー

豚レバー

魚介類

卵黄

チーズ など

【葉酸多く含む食品】

牛レバー

豚レバー

卵黄

大豆

納豆

ブロッコリー など

良質のたんぱく質を含む食品を選んで

たんぱく質は、血液中の赤血球やヘモグロビンの材料となる大切な栄養素です。また鉄と結びつくことで腸からの鉄の吸収を促進させます。
良質のたんぱく質を含む食品には、魚介類、肉類、卵、大豆製品、乳製品などがありますが、一度にたくさんとっても体内にため込むことができません。
なるべく毎食食べるようにしましょう。

鉄分の吸収を阻害する食品は控えましょう

緑茶、コーヒー、紅茶に含まれるタンニンは、鉄の吸収を妨げます。
鉄剤による治療のように、多量の鉄を摂取している場合を除き、食事中や食後は渋いお茶やコーヒーを飲むのは控えたほうがよいでしょう。

またアクの成分でほうれん草やたけのこなどに含まれるシュウ酸は鉄の吸収を妨げます。
ただし、シュウ酸は70~80%が水に溶け出すので、ほうれん草やたけのこなどは水で煮るなどして、しっかりとアク抜きをすれば問題ありません。
<参考>e-ヘルスネット, 「貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう」(厚生労働省)

おいしい健康管理栄養士おすすめの鉄分摂取レシピ

効率的に鉄分をとるための、ビタミンやタンパク質などを含む管理栄養士監修のレシピを紹介します。






文/高橋裕子

編集/おいしい健康編集部









現・医療法人社団平静の会西崎クリニック院長
前・聖路加国際病院血液内科・人間ドック科部長
岡田定先生

1981年大阪医科大学卒業。聖路加国際病院内科レジデント、1984年昭和大学藤が丘病院血液内科、1993年からは聖路加国際病院で血液内科、血液内科部長、内科統括部長、人間ドック科部長を歴任。2020 年より現職。血液診療、予防医療に関する著書も多く、現在までに30冊以上を上梓している。

現・医療法人社団平静の会西崎クリニック院長 前・聖路加国際病院血液内科・人間ドック科部長 岡田定先生

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