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2021.10.4 更新

バランスのいい食事を心がけましょう

母子愛育会総合母子保健センター 所長

中林正雄先生

現代の日本人女性は、食事からエネルギーや栄養素が十分に摂れていない傾向にあります。
妊娠中の人はもちろん、授乳中の人、これから妊娠を考えている人も、日々の食事からバランスよくエネルギーや栄養素を摂取することが理想的です。

現代女性は栄養が不足しがちな傾向に

厚生労働省公表の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の推定エネルギー必要量と、「国民・健康栄養調査(平成29年)」の実際の摂取量を比較してみると、日本人の若い女性は十分なエネルギーや栄養素が摂れていない現状が浮き彫りになっています。
15〜29歳の女性の栄養バランスは、脂質のエネルギー比率が30%を超え、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の目標量と比べると上回っています。(※1、2)

資料/厚生労働省 平成29年国民健康・栄養調査

また、理想的な栄養バランスが整いやすいといわれている、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を摂る頻度が少ないこともわかっています。(※3)

妊娠中や授乳中の女性は、おなかの赤ちゃんの発育のため、そして自身の健康維持のためにも、妊娠前よりも多めにエネルギーと栄養素を摂取したほうがいいと考えられていますが、十分なエネルギーや栄養素が摂れてない妊産婦さんが多いのが現状です。
妊娠したからといって、急に食生活を変えるのは難しいことですし、葉酸のようにおなかの赤ちゃんの発育のために妊娠前から十分に摂取していることが望ましい栄養素もあります(葉酸については「05 葉酸の摂取で神経管閉鎖障害発症を予防」で詳しく紹介しています)。(※1、2)
そのため、妊娠前から栄養バランスのいい食事を心がけておきたいですね。

バランスよく栄養を摂るには

1食の食事で、主食・主菜・副菜が揃うと、バランスよく栄養が摂りやすくなります。1日に何をどのくらい食べたらいいかの目安が表示された「食事バランスガイド」を参考にして、主食・副菜・主菜・牛乳・乳製品・果物を組み合わせて食べるのもおすすめです。

農林水産省「食事バランスガイド」「食事バランスガイド」について:農林水産省」
厚生労働省「食事バランスガイド」「食事バランスガイド」について:厚生労働省

また、日本人女性が不足しがちなビタミン・ミネラルは、妊娠時にもとても大切な役割を持つ栄養素なので、妊娠前から意識して摂る習慣をつけておくといいでしょう。

◎主食・主菜・副菜とは?
主食…主に炭水化物の供給源となる、ごはん、パン、麺、パスタなどの穀類。
主菜…主にたんぱく質の供給源である、肉、魚、卵、大豆・大豆製品など主材料とする料理
副菜…主にビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源となる野菜などの料理

※1 厚生労働省公表「平成29年国民健康・栄養調査」

※2 厚生労働省公表「日本人の食事摂取基準(2015年版)」

※3 厚生労働省公表「平成27年国民健康・栄養調査」

<参考>厚生労働省公表「令和3年妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針~妊娠前から、健康なからだづくりを~」

<参考>厚生労働省・農林水産省「食事バランスガイド」

文/渡辺有紀子
編集/おいしい健康編集部

母子愛育会総合母子保健センター
所長
中林正雄先生

1968年千葉大学医学部卒業、東京女子医科大学教授を経て、2002年母子愛育会愛育病院 院長、2013年母子愛育会総合母子保健センター 所長。専門領域は周産期医学、母子保健。厚生労働科学研究などで、安全で安心なお産のための医療システム構築に取り組む。

母子愛育会総合母子保健センター 所長 中林正雄先生

医師の指導のもと栄養指導を受けている方は、必ずその指示・指導に従ってください。


妊産婦さんの食事のきほん 目次

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病気のときの食事は「何を食べたらいいかわからない」「おいしくない」など、悩みがたくさんあります。病気のときも、毎日の食事をおいしく食べていただくために、病気ごとの食事のきほんをお伝えします。