慢性便秘症の中には、食事の量や食物繊維の摂取が不足することによって起こる便秘があります。その場合は、食事の量や内容を見直してみましょう。
適正な体重・エネルギー量を知りましょう
食事の量や内容を見直すときのポイントとなるのが、自分に合った食事を、1日3回摂っているかどうかです。
自分に合った食事の摂取量(=適正エネルギー)は、人それぞれ異なります。自分の身長に対する標準体重と活動量から、算出してみましょう。
標準体重(目標体重)=
身長(m)×身長(m)×22
適正エネルギー量(kcal/日)=
標準体重(kg)×身体活動量(kcal/kg)
あなたはどれにあてはまりますか?
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・低い
1日の半分以上は座っていて、
ほとんどからだを
動かさない
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・ふつう
1日に合計2時間程度、
仕事や家事などで
継続的にからだを動かしている
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・高い
仕事や家事などで
頻繁にからだを動かしている。
またはスポーツの習慣がある
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【成人男性はこちら】
・低い……33〜36kcal/kg
・ふつう……38〜42kcal/kg
・高い……44〜47kcal/kg
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【成人女性はこちら】
・低い……31〜33kcal/kg
・ふつう……36〜39kcal/kg
・高い……41〜44kcal/kg
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※身体活動量の目安は、「日本人の食事摂取基準」2020年版(厚生労働省)02_各論_1-1エネルギーP79「年齢階級別に見た身体活動レベルの群分け」を参考に、18〜64歳の値を、小数点第一を四捨五入して算出しました。
主食・主菜・副菜を組み合わせましょう
適正エネルギーがわかったら、次は主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を、1日3回(朝・昼・夕)摂っているかを確認しましょう。
3食の中でも、とくに大切なのが朝食。朝食を摂っていない人の中に、便秘の割合が多いことが指摘されています。*1
なぜ、朝食を抜くと便秘のリスクが上がるのかというと、それには人間の生体リズムが関係しています。
腸は夜、寝ている間に活発に働き、便がつくられます。起床し、朝食を摂ることで胃腸が刺激され、胃・結腸反射が起こり、大蠕動という強い腸の動きを経て便意が起こります。
朝食を抜くと大蠕動が起こりにくくなるため、排便のチャンスを逃してしまうことに。
何かと忙しい朝の時間帯ですが、手軽なものでも構いませんので、朝食は忘れずに摂ることが大切です。
また食事のときは、よく噛むことを意識しましょう。1口の咀嚼回数が30回以上の人に、快便が多いことがわかっています。*2
さらに睡眠をしっかりとると、眠っている間に腸が活発に働き、快便につながりやすくなるといわれています。寝不足になっていないか、眠りが浅くなっていないかも意識してみてください。
*1 福田ひとみ,松嶋優子.大学生の食事状況・食行動と便秘状況.平成17年度帝塚山学院大学人間文化学部研究年報2005;7;91-97(横断)
*2 山田五月,松本晴美,高橋律子ほか.大学生における慢性機能性便秘発現に及ぼす生活習慣との関連−横断的研究.栄養学雑誌2009;67:157-167(横断)
文/おいしい健康編集部