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2020.10.30 更新

動物性の脂より植物性の油がおすすめです

慶應義塾大学医学部 内科学教室 腎臓内分泌代謝内科

木内謙一郎先生

料理をする時に、脂質異常症の場合はできるだけ油脂を使わないほうがいいのか、どのくらいなら使っても大丈夫なのか、迷うところです。

実は、油脂は種類によって含まれる成分が違ってくるので、量だけでなく種類にも注目することが大切です。コレステロールや中性脂肪の値をコントロールするために知っておきたい、油脂の知識をお伝えします。

飽和脂肪酸が少ない植物油

ラードや牛脂、バターなどの動物性の脂には、LDL-コレステロールを増やす「飽和脂肪酸」が多く含まれています。調理用の油脂には、できるだけ動物性の脂を避けて、オリーブオイルやごま油など、飽和脂肪酸の少ない植物性の油を使うようにしましょう。調理に使っていい油の量は、1日当たり12〜18g(大さじ1〜1と1/2)が目安。油脂は少量でもエネルギーが多く太りやすいので、揚げものは絶対に食べてはいけないわけではありませんが、食べる回数や量を減らすようにしましょう。

LDL-コレステロールを増やすトランス脂肪酸

調理に使う油脂や肉の脂身のほかに、加工食品に含まれている油脂にも注意が必要です。ショートニングを使ったお菓子や揚げ物、マーガリンには工業的に作られた「トランス脂肪酸」が多く含まれています。トランス脂肪酸はLDL-コレステロールを増やし、HDL-コレステロールを減らしてしまいます。毎日の間食にはトランス脂肪酸が多く含まれている洋菓子より、団子やせんべいなどの和菓子のほうがベターです。

「脂肪酸」「飽和脂肪酸」とは?

脂質に関する言葉がいろいろと出てきたので、ここでより詳しくその意味を紹介します。

◎脂肪酸

脂肪酸は中性脂肪の成分で、構造によって「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」に分かれます。不飽和脂肪酸はさらに「一価不飽和脂肪酸(n-9系)」「多価不飽和脂肪酸(n-6系、n-3系)」に分かれます。

◎飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は肉や乳製品、ラード・バター・牛脂のような動物性の脂、ヤシ油に多く含まれていて、とりすぎは血液中のLDL-コレステロールの増加につながります。1日当たりのエネルギー量が1600kcalの人なら、食事から1日にとる飽和脂肪酸の目安は12g。脂身の少ない肉と青魚、納豆、卵を食べて牛乳をコップ1杯飲むと飽和脂肪酸は10〜13gになります。

◎n-3系多価不飽和脂肪酸

青魚の油やアマニ油(亜麻の種子が原料で、香りと苦味が特徴。熱に弱いので加熱調理よりドレッシングなどに向いている)に多く含まれていて、中性脂肪を減らす効果が期待できます。n-3系多価不飽和脂肪酸は体内で作ることができず、食品からとる必要があるので「必須脂肪酸」と呼ばれています。

<参考> 動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2018年版

<参考> The Japan Diet

文/おいしい健康編集部

慶應義塾大学医学部
内科学教室 腎臓内分泌代謝内科
木内謙一郎先生

慶應義塾大学医学部 内科学教室 腎臓内分泌代謝内科助教。2006年慶應義塾大学医学部卒業。11年慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了。米国カリフォルニア大学アーバイン校医学部 Center for Epigenetics and Metabolism 博士研究員 (Paolo Sassone-Corsi研究室)を経て、慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科 特任助教。20年4月より現職。

慶應義塾大学医学部 内科学教室 腎臓内分泌代謝内科 木内謙一郎先生

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