「05 毎日の食生活を見直しましょう」では、逆流性食道炎の方が生活を見直す上で、胸やけを起こしにくい食べ方のコツをお伝えしました。とはいえ、気をつけていても、胸焼けが起こってしまうことはあります。そんな時はどんな食事を取れば症状が早く改善するか、解説します。
短時間で消化されるものや野菜を
消化に時間がかかるものを食べると、食べたものが長い時間胃の中にとどまることに。胃酸が盛んに分泌する時間も長くなり、逆流するリスクが高くなります。できるだけ短時間で消化されるものを食べるようにしましょう。
食道・胃への負担が少ない食品は次の通りです。
うどん
そうめん
軟飯
おかゆ など
鶏ささみ肉
鶏むね肉
豚ひれ肉 など
たい
ひらめ
かれい
たら
かき など
豆腐
納豆 など
半熟卵
牛乳
ヨーグルト
チーズ など
大根
にんじん
かぶ
白菜
じゃがいも
山芋 など
バナナ
りんご
桃 など
さらに、 胃液の分泌を抑えたり消化を助けたりする効果のある野菜も、献立に取り入れてみてください。
胃酸の分泌を抑えたり、粘膜の修復を助けたりする「ビタミンU」は、キャベツやブロッコリー、アスパラガスなどに豊富。
消化を促す「消化酵素」は、大根、山芋、にんじん、パイナップルなどに多く含まれています。
食物繊維や油を控え、やわらかく調理
消化のいい食事にするポイントは、以下の3つです。
①食物繊維が多い食材は控えめにする
食物繊維が多い食品は便秘の解消などには効果的ですが、消化に時間がかかるので、胃酸が分泌する時間が多くなります。
食物繊維が多い食材は次の通りです。
れんこん
もやし
納豆
きのこ類
海藻類
こんにゃく など
②油っぽい料理は避ける
脂肪(脂質)はたんぱく質や炭水化物と比べて消化に時間がかかります。脂肪分が多い肉類は避けましょう。肉をとるなら、脂肪分が少なめな鶏ささ身や鶏胸肉(皮なし)を活用するのがおすすめです。
また、揚げ物、炒め物など油を使う調理法ではなく、蒸す、煮る、ゆでるなど、食道・胃にやさしい調理法を活用します。
③やわらかく調理する
加熱時間を通常より長めにしてやわらかく煮ることで、消化が良くなります。
胸焼けのときに食べたい、消化にいいレシピを紹介します。
<参考> 日本消化器病学会編集「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン 2015」(南江堂)
<参考> 三輪洋人監修「シニアの逆流性食道炎:こみ上げる胃酸にもう悩まない! (別冊NHKきょうの健康)」(NHK出版)
文/東 裕美