「私はコレステロールが高いだけ」と思っていたのに、お医者さんに「脂質異常症です」と言われても、どんな病気なのかあまりピンとこないかもしれません。
脂質異常症は、以前は「高脂血症」という病名で呼ばれていました。患者さんの数は年々増えていて、脂質異常症の治療を受けている人は現在、全国で約220万5000人にのぼります※1。
ここでは、脂質異常症とはどんな状態なのか、さらには脂質異常症の原因について、解説します。
脂質異常症には3つのタイプがあります
脂質異常症とは、血液に溶けているLDL-コレステロールや中性脂肪が増えすぎた状態、あるいはHDL-コレステロールが減りすぎている状態のことです。
脂質異常症には大きく分けて3つのタイプがあります。
(2)中性脂肪が多すぎるタイプ【150mg/dL以上】
(3)HDL-コレステロールが少なすぎるタイプ【40mg/dL未満】
(1)〜(3)のどれか1つでも当てはまる場合は脂質異常症です。
善玉コレステロールと呼ばれるHDL-コレステロールは、「数値が高いほうがいい状態で、数値が低いと悪い状態」であることがポイントです。
タイプ別にみた脂質異常症の原因
脂質異常症の原因は食習慣の欧米化や運動不足、肥満、遺伝などのほか、糖尿病や甲状腺機能低下症などの内分泌疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、薬剤などもあります。
3つのタイプ別に原因をみてみましょう。
(1)LDL-コレステロールが高くなる原因
LDL-コレステロールは食事内容や加齢、体質、遺伝などで高くなります。食事については、食品に含まれる脂肪の量や質、食物繊維の量が影響することがわかっています。
女性では、閉経後の女性ホルモンの減少が、LDL-コレステロールの上昇に関連すると報告されています。
遺伝が原因となって起こる代表的な脂質異常症が、若い頃からLDL-コレステロールだけが高くなる「家族性高コレステロール血症」です。若い年齢で心筋梗塞などを起こしやすいのが特徴ですので、もしかしてと思う方はぜひすぐに医師へ相談してください。
(2)中性脂肪が高くなる原因
中性脂肪は主にエネルギー量のとりすぎ、特にアルコールや果物を含めた糖分や炭水化物のとりすぎによって高くなります。また、糖尿病や肥満でも高くなります。
(3)HDL-コレステロールが低くなる原因
HDL-コレステロールを下げる主な原因には、糖尿病や肥満、運動不足や喫煙などがあげられます。
*1厚生労働省「患者調査」2017年
<参考> 動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2018年版
「おいしいレシピ」が満載!
詳細はこちら>
文/おいしい健康編集部