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2021.1.15 更新

尿酸値を上げない生活習慣

医療法人財団順和会山王メディカルセンター院長 国際医療福祉大学医学部教授

山中 寿先生

尿酸値や痛風について理解したら、高尿酸血症の原因や、「どうすれば尿酸値が下がって痛風を起こさなくなるのか?」が気になると思います。
尿酸値が高くなる原因や、尿酸・痛風に影響する生活習慣について説明します。

尿酸値が高くなる原因は遺伝と生活習慣

高尿酸血症の治療の目的は尿酸値を下げて痛風を予防するほか、心筋梗塞などに関わる高血圧などの合併症を防ぐことです。
高尿酸血症の患者さんは9割以上が男性。※1 中高年で発症することが多いとされてきましたが、近年は30歳代でも増えてきています。
かつて痛風は「ぜいたく病」と言われていましたが、尿酸値の上昇には生活習慣と遺伝の両方が関係することがわかってきています。多くの場合は、遺伝的な要因がある人が尿酸値の上がる生活を続けた結果、痛風になると考えられます。

生活習慣の見直しポイント

尿酸値を上げない生活習慣のポイントは次の通りです。

◎肥満を解消する
高尿酸血症の患者さんには、内臓脂肪型肥満の人が多くいます。そうした方は、まずは内臓脂肪を減らすのが早道です。詳しくは「④自分にあったエネルギー量をとりましょう」で説明します。

◎アルコールと上手に付き合う
尿酸値が高くなりやすい人は、お酒をよく飲む傾向があります。ビールが尿酸値を上げることはよく知られていますが、そもそもアルコール自体が尿酸値を上げてしまいます。お酒との上手な付き合い方について、「⑧お酒と上手に付き合いましょう」でお伝えします。

◎適度な運動をする
激しい運動は尿酸値を上げてしまうので、軽い有酸素運動がおすすめです。運動については「⑨軽い有酸素運動がおすすめです」で詳しく解説します。

◎こまめな水分補給を
尿酸値が高い人は、1日2リットル以上、水やお茶などをこまめに飲んで水分補給しましょう。おすすめの飲み物など、水分補給については「⑩こまめな水分補給で尿酸値を下げられます」をご覧ください。

よくある思い違い③尿酸値が高いのはすべて生活習慣が悪いためである
生活習慣が関係しますが、尿酸値はある程度は遺伝で決まりますので、セルフケアには限界があります。

<参考>日本痛風・核酸代謝学会・編集『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版』(診断と治療社)
<参考>山中寿・著『尿酸値を下げたいあなたへ』(保健同人社)
※1 痛風・尿酸財団HP「痛風はなぜ男性に多いのか?」

文/おいしい健康編集部

医療法人財団順和会山王メディカルセンター院長
国際医療福祉大学医学部教授
山中 寿先生

1980年三重大学医学部卒業。83年東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター助手、85年米国スクリプス研究所研究員、91年東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター講師、97年同助教授、2003年同教授、08年同所長。20年より現職。

医療法人財団順和会山王メディカルセンター院長 国際医療福祉大学医学部教授 山中 寿先生

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