「脂質異常症と言われているけれど、どのくらいの量を食べればいいのか分からない」という方がいるかもしれません。
実は、同じ脂質異常症といっても、食べすぎていて肥満の人もいれば、そうでない人もいます。ですが、どんな人にも共通していえることは、自分にあったエネルギー量をとって適正な体重を維持すれば、検査値にもいい影響がある、ということです。
そこで肥満と脂質異常症の関係や、エネルギー量と適正体重の出し方、食べすぎをおさえるヒントについて、説明します。
エネルギー摂取量がわかれば食べる量の目安になります
肥満では脂質異常症が起こりやすくなります。肥満によりインスリンの効き目が悪くなったり(インスリン抵抗性)、エネルギーをとりすぎると中性脂肪が上がり、HDL-コレステロールが下がってしまいます。
一方で、いきすぎた食事制限をすると必要な栄養まで足りなくなるので、自分にあったエネルギー摂取量をとることが大切です。
自分のエネルギー摂取量は、次の式で計算することができます。
=エネルギー摂取量(kcal)
◎軽め(デスクワーク中心の方、主婦)
→25〜30kcal
◎普通(立ち仕事、外回り中心の方)
→30〜35kcal
◎重め(力仕事が中心の方)
→35kcal
たとえば身長170cm(1.7m)で外回りが多い営業職の人なら、1.7✕1.7✕22✕35=2225.3で、約2225kcalが必要なエネルギー摂取量です。
適切なエネルギー摂取量がわかれば、どのくらいの分量を食べたらいいかの目安になります。
適正体重を知っておくと、食べる量を意識できます
適正な体重は次の式で計算できるので、肥満でない方もそうでない方も、自分の数値を知っておきましょう。
=適正体重(kg)
たとえば身長160cmの人なら1.6✕1.6✕22=56.32で、約56.3 kgが適正体重になります。
適正体重をオーバーしてきたなと思ったら、まずは食べすぎていないか振り返ってみましょう。次のような習慣の一つや二つでも見直してみると、適正体重に戻すきっかけになるかもしれません。
◎腹八分目とする
◎寝る2時間前には食べ終わるようにする
◎よくかんで食べる
◎2食分を1回で食べる「まとめ食い」、テレビを見ながら食べるといった「ながら食い」をしない
◎うす味にする
◎自炊する機会を増やす
◎朝食、昼食、夕食を規則的にとる
たとえば「朝食を抜くことが多い」という人なら、朝バナナ1本を食べることから始めてみるなど、まずは小さなことから取り組んでみてください。
<参考> 動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2018年版
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文/おいしい健康編集部