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2020.8.7 更新

減塩の目標は1日6.0g未満

慶應義塾大学医学部 内科学教室 腎臓内分泌代謝内科

木内謙一郎先生

生活習慣の見直しにおいて、まずいちばんに挙げられるのが「減塩」です。

過剰な塩分を減らすことが目的ですが、そもそも日本人は食塩をどれくらい摂っているのでしょうか。

日本人は食塩を摂りすぎています

2017年の「国民・健康栄養調査」では、1日あたりの食塩摂取平均量は、18歳以上の男性では10.8g、女性は9.1gと報告されました。※1

一方で国が定める健康な成人の「摂取目標量」は、男性7.5g未満、女性6.5g未満と提示されています。※2

男女ともに、食塩摂取の平均量は、目標量の約1.4倍上回っていることが明らかになりました。

なぜ食塩を摂りすぎているのか

日本は、和洋中さまざまな食事をおいしく楽しめる食文化の豊かな国です。

なかでも和食は、旬の食材を使い、一汁三菜をバランスよく食べることができる健康的な食事の象徴でもあります。とはいえ、和食には漬け物、塩蔵加工品、汁ものがあり、しょうゆをかけて食べる食べ方も広く浸透してきたため、塩分摂取量が高くなる場合もあります。

和食に限らず、食卓で調味料をあとがけしたり、食事やおつまみでハムやチーズなどの加工品をたくさん食べたり、日本人は塩分過多になりがちな食生活を送っていることがよくわかります。

塩分が血圧に影響する理由

ではこの過剰な塩分の摂取は、血管や血圧にどのような影響があるのでしょうか。

塩分を摂りすぎると、血液中の塩分濃度や浸透圧が高くなります。

その濃度や浸透圧を調整するために、喉の乾きを感じて水分摂取することで、からだに入った水分が血液に集まり、その結果、血液の量が増えて血管を流れる圧力が増してしまいます。一方で、血液中の塩分は腎臓から尿中に排泄されるため、塩分を調整するのに腎臓が重要な役割を果たしています。

さまざまな研究からも、食塩の過剰摂取が血圧上昇に関連することが報告され※3、減塩によって血圧が下がることも明らかになっています。

日本高血圧学会では、高血圧の患者では食塩摂取目標量を1日あたり6.0g未満と設定し、減塩に取り組んでいます。

高齢者や持病のある方に対しては、病状や体格、栄養状態、身体活動量なども考慮して食事指導が行われているため、食塩の摂取量は医師の指示に従いましょう。

*1 厚生労働省「平成29年 国民健康・栄養調査」

*2 厚生労働省「日本人の食事摂取基準 2020年版」

*3 INTERSALT Cooperative Reseach Group. Intersalt: An International Study of Electrolyte Excretion and Blood Pressure. Results for 24 Hour Urinary Sodium and Potassium Excretion.BMJ.1988;297:319-328.PMID:3416162

<参考>日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」

文/おいしい健康編集部

慶應義塾大学医学部
内科学教室 腎臓内分泌代謝内科
木内謙一郎先生

慶應義塾大学医学部 内科学教室 腎臓内分泌代謝内科助教。2006年慶應義塾大学医学部卒業。11年慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了。米国カリフォルニア大学アーバイン校医学部 Center for Epigenetics and Metabolism 博士研究員 (Paolo Sassone-Corsi研究室)を経て、慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科 特任助教。20年4月より現職。

慶應義塾大学医学部 内科学教室 腎臓内分泌代謝内科 木内謙一郎先生

医師の指導のもと栄養指導を受けている方は、必ずその指示・指導に従ってください。