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2020.8.7 更新

高血圧の治療で重要な「生活習慣の見直し」

慶應義塾大学医学部 内科学教室 腎臓内分泌代謝内科

木内謙一郎先生

高血圧の治療では、具体的に何をするのでしょうか。予防の観点もあわせてみていきます。

高血圧の治療の目的

高血圧の治療では、血圧が高い状態が続くことで起こる脳心血管病の発症や進行を抑制すること、それによる死亡を抑えることが目的に挙げられます。

また、高血圧と診断されても、自分らしく生活の質(クオリティ・オブ・ライフ/QOL)を保って日常生活が送れるようにすることも目的にあります。

生活習慣の改善が大きな役割をはたします

高血圧の発症や進行には、遺伝的な要因と環境的な要因が関係します。
環境的な要因とは、食事や運動、嗜好品などの「生活習慣」。生活習慣を見直すことで、高血圧の予防や改善が期待できます。

病気の治療というと薬を飲むことを連想しますが、減塩や肥満の予防、食事パターンや運動習慣の見直しなど、生活習慣の改善が有効です。

高血圧が軽症の場合は、減塩や体重の管理などからはじめ、薬を飲みはじめても継続します。生活習慣を見直すことは、薬の効果を上げたり、薬の量を減らすことに役立ったり、治療においてとても大切なのです。

次の章から、生活習慣について具体的にみていきます。

<参考>日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」

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文/おいしい健康編集部

慶應義塾大学医学部
内科学教室 腎臓内分泌代謝内科
木内謙一郎先生

慶應義塾大学医学部 内科学教室 腎臓内分泌代謝内科助教。2006年慶應義塾大学医学部卒業。11年慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了。米国カリフォルニア大学アーバイン校医学部 Center for Epigenetics and Metabolism 博士研究員 (Paolo Sassone-Corsi研究室)を経て、慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科 特任助教。20年4月より現職。

慶應義塾大学医学部 内科学教室 腎臓内分泌代謝内科 木内謙一郎先生

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