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2020.8.7 更新

知っておきたい「血圧」のこと

慶應義塾大学医学部 内科学教室 腎臓内分泌代謝内科

木内謙一郎先生

高血圧の方、健康診断などで「血圧が高め」と指摘を受けた方は、そもそも「血圧」そのものについてご存知でしょうか?

高血圧という病気を知るには、まず血圧について理解する必要があります。

血圧とは、血液が血管の内側に与える「圧力」のこと

私たちのからだには無数の血管がはりめぐらされています。そのなかに血液が流れ、酸素や栄養素を全身の臓器や組織に運んでいます。

この血液を全身に運ぶのが心臓で、ポンプのように収縮と拡張を繰り返します。心臓から血液を動脈という血管に押し出し、全身の組織に規則正しく届けています。

このとき、血液は血管の内側(血管壁)に圧力与えていますが、この圧力を「血圧」と呼んでいます。

血圧には、心臓が1回の拍動で全身に送り出す血液量(心拍出量)や血管のしなやかさ(弾力性)、血液が血管に流れ込む際の末梢血管の抵抗力(血管抵抗)、血液の粘度など、さまざまな状態が関係しています。

血圧の「上」と「下」とは?

血圧の数値で「上は○○、下は○○」という言い方を耳にしたことはないでしょうか。

上と下、血圧は2つの数値を見ています。

上の血圧とは最高血圧のことで、正式には「収縮期血圧」といいます。一方で下の血圧は最低血圧。「拡張期血圧」を指します。

◎収縮期血圧(上の血圧/最高血圧)

心臓の収縮によって血液が全身に送り出されるときの圧力。血圧が最も大きくなるため、このときの血圧を「収縮期血圧(最高血圧)」と呼びます。

◎拡張期血圧(下の血圧/最低血圧)

収縮した心臓のなかに再び血液が送り込まれ、心臓が拡張して元に戻るときの圧力。このとき、心臓から血管への血液の送出はないので、血圧は最も弱くなります。

高血圧はどのように診断されるもの?

高血圧であるかどうかは、血圧を測定することでわかります。

血圧には、主に、病院やクリニックで測る「診察室血圧」と、自宅にて自分自身で測る「家庭血圧」があります。日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019」ではそれぞれ数値を分類しています。

診察室血圧は、1回の測定だけではなく、別の日にも行い数回の測定結果をもとに判定します。そして上の血圧(収縮期血圧)と下の血圧(拡張期血圧)のどちらか一方でも140/90mmHg以上であれば、高血圧と診断されます。

家庭血圧は5〜7日の平均値をとり、どちらか一方でも135/85mmHg以上である場合、高血圧と診断されます。

つまり、診察室血圧が140/90mmHgを超えたら、家庭血圧では135/85mmHgを超えると高血圧と診断されるのです。

また、「高値血圧」は、高血圧への移行に注意が必要とされる領域です。診察室血圧で130/80mmHg以上、家庭血圧で125/75mmHg以上の方は、生活習慣の見直しをすることが求められます。

家庭で血圧を測るなら

家庭血圧を指標とする治療の実施は、診察室血圧よりも強くすすめられていることから、家庭で血圧を正しく測定することは大切です。

測定するタイミングは、朝と夜の1日2回。決まった時間に測ります。

◎朝

起床後1時間以内に測定。

トイレをすませ、服薬前、食事前に測ります。

◎夜

食事、飲酒、トイレの直後は避けて。

入浴後は1時間以上あけましょう

腰掛けた状態で脚は組まずに。歩いたり運動したりした直後は避け、1〜2分間の安静を保ったうえでリラックスして行いましょう。

血圧計はさまざまなタイプがありますが、上腕に巻くタイプ(上腕式)が最も正確に数値が測れると言われています。そして測定した血圧値は記録をしておきましょう。

<参考>日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」

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文/おいしい健康編集部

慶應義塾大学医学部
内科学教室 腎臓内分泌代謝内科
木内謙一郎先生

慶應義塾大学医学部 内科学教室 腎臓内分泌代謝内科助教。2006年慶應義塾大学医学部卒業。11年慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了。米国カリフォルニア大学アーバイン校医学部 Center for Epigenetics and Metabolism 博士研究員 (Paolo Sassone-Corsi研究室)を経て、慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科 特任助教。20年4月より現職。

慶應義塾大学医学部 内科学教室 腎臓内分泌代謝内科 木内謙一郎先生

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