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2021.6.10 更新

血圧で動脈硬化による病気のリスクが分かります

現・医療法人社団平静の会西崎クリニック院長 前・聖路加国際病院血液内科・人間ドック科部長

岡田定先生

血圧測定の結果が思わしくなかったら、どうすればいいでしょうか。
血圧が高い状態、つまり高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれていて、数値が上がっても自覚症状はほとんどありません。そのため、なかなか食事を見直そうという気になれないかもしれません。
しかし、高血圧が長く続くと動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞などの大きな病気になる可能性があります。動脈硬化とは、血管が硬くなってしなやかさが失われて、血管がつまりやすくなった状態です。
血圧測定について知っておくと、動脈硬化による病気の予防に役立ちます。血圧の検査結果の見方を解説します。

圧力が最も強い「収縮期血圧」、最も弱い「拡張期血圧」

血圧を測定すると、高血圧であるかどうかが分かります。
健診結果の血圧の欄を見ると「110/70mmHg」のように2つの数値が載っているはずです。 最初の大きい数字を「収縮期血圧(最高血圧)」といい、2つ目の小さい数字を「拡張期血圧(最低血圧)」といいます。
血圧について「上の血圧、下の血圧」という言い方を聞いたことがあるかもしれません。上の血圧が収縮期血圧、下の血圧が拡張期血圧です。

●収縮期血圧(最高血圧/上の血圧)
心臓が収縮して血液が全身に送り出される時の血圧。血圧が最も大きくなるため、このときの血圧を「最高血圧」とも呼びます。

●拡張期血圧(最低血圧/下の血圧)
心臓が血液を送り出した後、広がった時に血管にかかる圧力。この時、血圧は最も弱くなります。

健診の判定はどういう意味?

健診結果はどのように見たらいいでしょうか。
判定の仕方に厳密な決まりがあるわけではありませんが、健診結果の判定は次のような意味です。

・「異常なし」…今回は血圧に異常がみつからなかったので、次回も健診を受けてくださいという場合です。

・「軽度異常」…すぐに病院に行くほどではないけれど、日常生活を見直したほうがいいという意味。「生活改善」は高血圧が疑われる一歩手前なので、すぐに生活習慣の見直しに取り組みましょう。

・「要経過観察」…急ぎではないですが、指示された期間内にもう一度検査を受ける必要があります。「再検査」は検査結果が基準値を外れているか、異常の疑いがある場合にもう一度検査が必要という意味です。

・「要医療」「要治療」…高血圧が疑われるか、明らかな状態なので、医療機関を受診したり治療を受けたりする必要がある場合です。現在、高血圧で治療中の場合もこちらに含まれることがあります。

診察室血圧より家庭血圧が大切

血圧には大きく分けて、医療機関で測る「診察室血圧」と、自宅などで測る「家庭血圧」の2つがあります。健診センターで測る血圧も診察室血圧に含まれます。
診察室血圧よりも、普段の調子がわかる家庭血圧が重要です。医療機関で血圧を測ると、長い待ち時間によるイライラや緊張から、日常より血圧が高くなる傾向があるからです。血圧が高い方は、朝と夜の1日2回、自宅で血圧を測ってみましょう。

診察室血圧は正常なのに、家庭血圧だけが高い人がいます。そのような場合を「仮面高血圧」と呼びます。診察時には高血圧が隠れていることから、このような名称になっています。仮面高血圧の人は、診察室血圧・家庭血圧が両方とも高い人と同じくらい病気のリスクが高いので、治療が必要です。
反対に、家庭血圧が正常で診察室血圧だけが低い人を「白衣高血圧」と呼びます。薬による治療の必要は当面ありませんが、将来、治療が必要な高血圧になる可能性が高いので、定期的に血圧を計りましょう。

高血圧についてもっと知りたい方は「高血圧の食事のきほん」をご覧ください。

<参考>岡田定 著「リモート診療 病院に行きたくない時の名医との33のQ&A」(主婦の友社)

<参考>矢冨裕、野田光彦 編著「健康診断と検査がすべてわかる本 改訂」(時事通信社)

<参考>佐藤直樹 監修「高血圧の毎日ごはん」(女子栄養大学出版部)

<参考>日本高血圧学会:一般向け『高血圧治療ガイドライン』解説冊子 「高血圧の話」

<参考>日本人間ドック学会2021年度判定区分表

文/おいしい健康編集部

現・医療法人社団平静の会西崎クリニック院長
前・聖路加国際病院血液内科・人間ドック科部長
岡田定先生

1981年大阪医科大学卒業。聖路加国際病院内科レジデント、1984年昭和大学藤が丘病院血液内科、1993年からは聖路加国際病院で血液内科、血液内科部長、内科統括部長、人間ドック科部長を歴任。2020 年より現職。血液診療、予防医療に関する著書も多く、現在までに30冊以上を上梓している。

現・医療法人社団平静の会西崎クリニック院長 前・聖路加国際病院血液内科・人間ドック科部長 岡田定先生

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