お酒は気分を落ち着かせ生活を豊かにする効果がありますが、健康リスクが気になります。
2型糖尿病では、お酒とどう向き合えばよいでしょうか。
お酒のエネルギー量を知っていますか?
アルコールにはエネルギーがあり、1gあたり7kcal。アルコール度数の高いお酒ほどエネルギーも高くなります。ただし、アルコール自体のエネルギーは体に蓄えられる代わりに熱になるため、エンプティカロリーともいわれます。
また、 ビールやワインなどお酒ごとに含まれる糖質量によってもエネルギー量は異なります。
日本酒(1合180ml)…約185kcal
赤ワイン(1杯120ml) …約87kcal
白ワイン(1杯120ml) …約87kcal
ウイスキー(30ml)…約71kcal
お酒のエネルギー量を知っておくといいでしょう。
アルコールは血糖コントロールに影響あり
お酒を飲むと、アルコールは胃と小腸で吸収され、血液に入り肝臓に送られます。肝臓内でアルコール脱水素酵素によってアセトアルデヒドに代わり、さらにアセトアルデヒド脱水素酵素によって酢酸に分解される「代謝」が行われます。最終的に水と二酸化炭素に分解されて、汗や尿、呼気から排出されます。
アルコールはアルコールそのものの作用やアルコールの代謝に伴って、血糖値に影響を与えます。血糖コントロールの不良は糖尿病合併症の危険性を高めるため、お酒の量は検討しなければいけません。
また、アルコールを急に摂ると低血糖を起こすこともあり、インスリン療法を取り入れている場合は、飲酒に注意が必要です。
アルコールの摂取目安は1日25gまで
2型糖尿病では、血糖コントロールが良好で医師から止められていなければ、お酒を飲むことは禁止されていません。
ただしアルコール摂取量には適量があり、2型糖尿病では「上限」として1日25gまでとされています。
「アルコール25g」がお酒ではどれくらいの量になるかを、アルコール量20gの場合を例に見てみましょう。
ビールはロング缶1本(500ml)、日本酒は1合程度、ワインはグラス2杯弱(200ml)です。
お酒を飲むときは、エネルギー量は自身の適正範囲内にし、アルコール量も上限を超えないように楽しみましょう。飲酒の許容量は糖尿病の状態などでそれぞれ異なるので、主治医の指導に従ってください。
<参考>『糖尿病診療ガイドライン2019』編・著 日本糖尿病学会(南江堂)
<参考>文部科学省『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』
*1 アルコール20g量で換算した目安量
文/おいしい健 康編集部