みなさんはいつも食事をどのように食べているでしょうか。
好きなものから食べて苦手なものを後回しにしたり、麺類やごはんものばかり選んだり、飲み込むように早食いをしたり。食べる順番や食べ方はさまざまです。
近年、この食事(食品)の摂り方によって、食後の血糖値の急上昇を抑えられることが注目されています。
まず先に、食物繊維が豊富な食品から食べましょう
食後の血糖値の急上昇には、食べる「順番」が関係しています。
血糖コントロールによい順番とは、一番先に野菜や海藻、きのこなどの食物繊維が豊富な食品を食べること。
食後の血糖値の上昇を抑えることができ、体重の減少やHbA1c(糖尿病の血糖管理指標のひとつで、過去1〜2カ月間の平均血糖値を表します)の低下につながることが報告されています。※1
また、「炭水化物」を摂るタイミングも食後の血糖値の上昇の関連があります。野菜に限らずに肉や魚などの主菜を先に食べ、炭水化物はそのあとに食べること。例えば、お昼に定食を食べるとき、ごはんから手をつけず、副菜のサラダや酢の物、焼き魚などの主菜から食べて、ごはんは後に食べるということです。
しっかり噛んで食べることはやはり大切
「しっかり噛んで食べましょう」とはよく言われていますが、血糖コントロールの点からもとても大切です。
50才以上の壮年・高齢者を対象にした研究では、咀嚼力が低下すると血糖値のコントロールが乱れる可能性が報告され※2、よく噛んで食べることは血糖値との関係でも注目されています。
理想的な食べ方は、まず先に食物繊維を含む食材を選び、しっかり噛んで食べること。食後の血糖値の上昇を緩やかにすることができ、よく噛むことで満足感も高まります。
食事のとき、ひと口30回以上噛むことを意識してみましょう。また、歯ごたえのある食品を選ぶと、自然と噛む回数が増えるのでおすすめです。
<参考>『糖尿病診療ガイドライン2019』編・著 日本糖尿病学会(南江堂)
*1 Imai S, Matsuda M,Hasegawa G et al : A simple meal plan of ‘eating vegetables before carbohydrate’ was more effective for achieving glycemic control than an exchange–based meal plan in Japanese patients with type 2 diabetes. Asia pac.j.Clin.Nuttr 20:161-168,2011
*2 柴崎 貞二,糟谷 知宏,斎藤 誠一郎ほか:咀嚼能力と血糖コントロールとの関係について.プラクティス 11:262-265, 1994
文/おいしい健康編集部