「運動はどのくらいしていいの?」と悩む妊婦さんは多いようです。妊娠経過に問題がなく、体調が安定しているなら、無理のない程度に体を動かすことにはメリットがたくさんあります。
お産のため産後の育児のためにも、筋力や体力が必要に
体を動かすことや運動をすることは、生活習慣病の予防・改善や、健康の維持に効果があることがわかっています。
また、長時間同じ姿勢で座り続けることで、血行不良が起こり、血栓ができるエコノミークラス症候群が発症する恐れも。
妊娠中もストレッチや軽めの運動をしているほうが血流がよくなるので、妊娠中に起こりやすくなる、腰痛や肩こり、むくみや脚のつりなどのマイナートラブルをやわらげることができます。
さらに最近では、妊娠中に運動をしているほうが早産や低出生体重児のリスクを増加させない可能性がわかってきました。
お産や産後の育児のために必要な体力や筋力をつけることや、体重を増やしすぎないためにも、適度な運動は効果的です。
運動をするなら医師に確認をし、無理のない程度に
妊娠中にどのような運動をどのくらい行ったらいいのかについては、日本ではまだ明確な根拠はありません。
妊娠経過や体調によっては運動をしないほうがいい場合もあるので、まずはかかりつけの医師に相談しましょう。
また、これまでまったく運動をしたことがない人が、妊娠したからといって急に難しい運動を始めるのはおすすめできません。ウォーキングやストレッチなどの無理なくできるものや、マタニティヨガやマタニティビクスなど妊婦さん向けのプログラムが挑戦しやすいでしょう。
妊娠中はいつもと体のバランスが違うので、運動するときには転倒に十分注意をしてください。おなかが張ったり、気分が悪くなったりしたときは、すぐに中断して休憩するなど、無理をしないことも大切です。
<参考>厚生労働省公表「令和3年妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針~妊娠前から、健康なからだづくりを~」
https://www.mhlw.go.jp/content/000776926.pdf
文/渡辺有紀子
編集/おいしい健康編集部